襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

辞書

 

「一番好きな本は何ですか?」

 

と聞かれたときに、

僕は時と場合を注意深く選んで、

 

「辞書です。」

 

と答える。もちろん小説とかも大好きなんだけど、

辞書も本には違いないのだから、回答としては問題ないと思う。

 

 

さらにどんな辞書が好きかと言われれば「新明解国語辞典第六版」を挙げると思う。

 

 

僕が辞書を「読む」ようになったのには原因として勿論「舟を編む」という小説があるわけだけど、僕はこの本を読んで、「ああ、辞書って読んでもいいんだ。」という、

何かしらを許されたような嬉しい気持ちになったのだ。

 

「明鏡国語辞典」「国語大辞典」「大辞林」「旺文社国語辞典」....日本にはさまざまな国語辞典が存在していて、それぞれ書かれていることは"ぜんぜんちがう"

 

これはすごく素敵なことで、つまり"ことば"というものは國の官僚や大学の教授が「この言葉はこういう意味である!」と決めているわけではなくて、

"ことば"はもっととらえどころがなくて、自由で曖昧で、ふわふわしているっていうことなんだ。

 

 

例えばアメリカとかだと大学が辞書をつくっていて、国から資金を得て辞書を編んでいる。それはつまりお金に困らずどんどん新版を出せるということでもあり、

上からの圧力がかかる可能性があるということでもある。

だから「Oxford Dictionary」はあっても「東京大学辞典」みたいなものは存在しない。

 

だから日本では出版社がそれぞれ誇りをかけて日本語に向き合って、

自分なりに言葉を"編む"のである。

 

辞書に関しては「出版する」とか「つくる」とか「執筆する」ではなくて「編む」という言葉を使うそうだ。

なんでだろうな。そういうところがすごく良い。

 

 

そういう意味でも英語辞書(英英辞典)もすごい好き。

僕が使っているのは「Oxford Advanced Lerner's Dictionary」だけど、

例えば"school"ってひいてみるとどうだろう。

schoolって英語で説明しろよって言われたら皆ならどうする?

 

英英にはこうでている

「1.a place where children go to be educated」

 

なるほど。なんだか無駄のない説明に楽しくなってくる。

じゃあ子供ってなんやねん、って思って"child"ってひいてみる

「1.a young human who is not yet an adult.」

おおおお、うまくかわしてくるじゃん。

じゃあ"young"ってどういう意味か説明してみろよぉぉぉぉぉ!

 

なんてひたすら辞書を引き続けていると3時間くらい経ってたりする。

とにかく辞書をひくのは楽しい。言葉の海に潜って、宝物を探しているみたい。

 

 

そこで僕の好きな新明解国語辞典である。

この辞書に関しては僕がアウトサイダーを気取って、「この辞書が好きなんだよねへへーん」って恰好つけているわけではなくて、本当に新明解の愛用者は沢山いる。

 

新明解は僕にとって、的確な事をずばずば言ってくる不良みたいなやつで、

言葉はときに辛辣で、ときに自分勝手で考えさせる訳注と例文で名高い。

 

例えば新明解第四版で「動物園」とひいてみる。

 

どうぶつえん【動物園】
 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。 (第4版)

 

どんだけ動物園嫌いなんだよ...

僕はこの訳注を読んで「辞書っておもしろっ....!!」と思って虜になってしまった。

ちなみに水族館にはこんなひどいことは書いてないです。

 

新明解の魅力について書かれた文章は他にも沢山あるから是非読んでみてほしい。

(http://話題なう.jp/2290.html)

 

 

辞書をよみふけるのはとにかく楽しい。

皆さんは「右」について説明しろと言われたらどう答えますか?

お箸を持つほうというと左利きの存在を無視することになるし、

右手があるほう、では答えにならないよね?

 

この問題については様々な辞書がそれぞれ独自の答えを出しているので、

皆さんもぜひ自分の辞書をつかってひいてみて下さい。

 

 

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京都の伏見稲荷大社

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