襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

手紙

 

 

 

手紙の話をする。

 

 

 

昔から手紙が好きだ。

高校の頃は「年賀状に少し気合いが入ってて、メールで年賀状なんてありえないぜ青年」程度のものだったが、大学に入る頃から、きちんとした文通に価値を見いだして、

 

趣味的な「出してみました」手紙じゃなくて、手紙本来の役割としての文通を心から楽しんだ。

 

 

何が手紙本来の文通なのかって、僕には当時好きな人がいて、

お互いにアンティークなものとかステーショナリーに目がなかったから、

それの矛先をどうするかっていうとやっぱりそれは手紙で、

まぁ冗談半分で文通みたいな感じでやっていたら、これが以外と楽しくて、

 

手紙にはまっていくうちに手紙を待つ楽しさ、手紙に写真を入れたり便せんを工夫したりっていう面白さに目覚めて、結果としてメールも電話もそんなにしないカップルが出来上がってしまったのである。

 

 

 

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↑手紙にはまって高揚する著者

 

 

 

 

つまり、マジで手紙だけで連絡をとりあって、次会う約束とかも全部手紙でしていて、昭和かよって感じだけど、不便さも含めて僕たちはすごく豊かな趣味を楽しんでいたように思う。

お互いに村上春樹の「ノルウェイの森」が好きだったというのも大きいのかもしれない。

 

結果として大学に入って早々にして別れてしまったけれど、

手紙好きは衰えることなく、かといって送る相手もいなくなってしまったわけで、

文具屋をまわって良い便せんを買い込んでは、使う相手がいないことを思い出して寂しい思いをした。

 

 

大学に慣れてきてから、「もうあれだ、相手の都合とかいいから送りつけちまおう」ということになって、ちょこちょこ人に手紙を書くようになった。

 

それは親友だったりとか、友達の姉とか、祖父母だったりとか、送り先も内容も脈絡がなくて、返事もそんなになかったし、期待していたわけではなかったけれど、

自己満足としては上等だった。

 

 

 

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もらった手紙は全部とっておいてあって、ちゃんと手紙をぶち込む棚があるのだ。

上の写真は、特に記憶に残っていてよく見返す手紙たち。

 

 

一番左が成人式の際に母親からもらった手紙で、一番右が、例の隔世遺伝のおじいちゃんからもらった手紙。

さすがに内容は凄くて、大人になったんだな、

頑張らなきゃなってすごく思ったのを覚えている。

 

 

二番目が恋人から最初にもらった手紙。

手紙を書きながら自分の考えを整理している感じが伝わってきて嬉しかった。

恋人が達筆というのは誇らしい一方で、自分も半端なもの書けないな、と身が引き締まる。

 

 

三番目上段は去年うちに2週間ホームステイしていたアメリカ人の子からもらったクリスマスカードで、立派な日本語と英語で凄まじい量の文章が綴られていて、しかもなぜか1000円札がセロテープで貼付けてあって、「これでなんか買え」みたいなことが書いてあって兄妹で笑ったのを覚えている。

 

 

中段は大学の売店のおばちゃんが辞めてしまった際にもらった手紙。

僕は何故か大学の売店のおばちゃんとやたら仲が良くて、全員の名前はもちろん覚えているし、アメリカから帰ってきたときは全員にそれぞれおみやげを選んで渡したくらいだ。

名前の漢字が違うのは教える機会がなかったからだ。こういうのも思い出に残って良い。

彼女はクリスチャンで、手紙には

詩編55編22節の言葉が綴られていて、大切にされていたんだなぁと痛感した。

 

 

 

下段は働いているドトールの店長が先日うちの店を去ることになって、

その際に僕に渡してくれた手紙。

20名以上いるバイトの一人一人に考え抜いて3日寝ずに書いた手紙で、

それが伝わってくる内容で嬉しかったなぁ。

 

 

 

こんなふうに、もらった手紙は全部覚えている。

内容を覚えているというよりは、それを貰ったころの状況だとか、

どんなふうに受け取っただとかそういうのが伝わってきて、

開いたとたんに懐かしいメロディを奏でるオルゴールみたいに、

手紙をあければいつでも「そのとき」に帰れるのが、いい。

 

 

 

本当は手紙の利点みたいなところを書いて、「みんなも手紙書こうぜ」的な締め方をしようと画策していたのだけれど、思わぬ方向に転がってしまった。

酒が入っているので少々眠い。

 

おやすみなさい。

ここまで読んでくれてありがとう。

 

みんなからのお便り まってるぜ!

 

 

 

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