襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

美大生がペンについて語る 前編

 

 

美大生がペンについて語る、というような言い方をすると

ずいぶん都合が良いかんじがする。

 

 

そこには、普通の人には考えもつかないペンへのこだわりや、
メーカーやペン先の微細な違いについて熱弁するさまに対する期待がある。
 
 
 

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以前紹介したように、たしかに美大生の中にはペンにこだわり、
それを上手に使いこなすことによって素晴らしい作品を生み出す人が大勢いる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
美大生には二種類の人間がいる。
 
 
 
 
 
 
文房具にこだわる人間と、こだわらない人間である。
 
 
 
さらに幅を狭めて言えば、ペンにこだわる人間とこだわらない人間だ。
 
もちろんこの二分割は美大内でなくとも一般人、
例えば社会人についてもあてはまるかもしれない。
「おれは万年筆でいくぜ!」とか、「3色ボールペンは手放せないわ!」みたいなね。
 
 
 
 
しかし、「筆記」でなく、「アート・デザイン」の観点から考えると、
ペンとは一般人のそれとは比べ物にならないほ繊細かつ重要な問題である、はずだ。
 
たとえばアニメ専攻の学生であれば、ペンの太さや硬さでキャラクターの雰囲気、表情が変わってしまうだろうし、グラフィック専攻の学生であればタイポグラフィーのミリ単位の仕事はその辺のボールペンではどうにもならない。
 
 
 
である、にも、かかわらず、
 
ペンにこだわる美大生とこだわらない美大生がちゃんといるのである。
 
 
しかも、僕の個人的な印象的では、美大でも
こだわりのある人とない人の割合は5:5くらいなんじゃないかと考えている。
 
 
 
 
 
 
 
そりゃ誰だってちゃんとインクが出るペンが良いだろうし、
安っぽいペンと高いペンがあったら高いペンに目がいくだろう。
 
ただ、こだわらない人は本当に、そのへんにあるペンでデザイン用のスケッチを
始めてしまうのである。そこに横たわっているのは「美大にも道具にこだわらない
やる気のない奴がいる」という問題でもなければ「美大生なのに特定のペンでないと
実力を発揮できない」という問題でもない。
 
 
 
 
 
それは個人のスタンス、言い換えれば美学の問題なのではないかと考えている。
 
 
 
 
 
こだわる美大生「自分のペンじゃないと落ち着いて上手くスケッチなんかできない。
それに、僕は将来的にプロフェッショナルになる人間だ。
プロは道具にこだわり、道具を大切にしていくものだ。
料理人が何十年もまな板や包丁を愛用するように、僕もペンにこだわる。」
 
 
 
こだわらない美大生「ペンなんてその辺に落ちてた100円ボールペンでかまわない。
僕は将来的にプロフェッショナルになる人間だ。
弘法筆を択ばず、というように、どんな状況でも自分の最高の絵を描ける人間になる。
それは料理人が友人の台所に入って、祖末な道具と祖末な材料で素晴らしいまかないを
つくってしまうようなものだ。ペンにこだわらないというのは僕なりの美学だ。」
 
 
 
 
どちらが正解ということはないのだ。
あなたはペンについて「こだわる人」だろうか「こだわらない人」だろうか
 
 
こだわる人ならば、そのペンをなくした時は大変だ。常にイライラして
「これじゃない」とぶつぶつ言いながら気に入らないペンを使わなくてはならない。
 
こだわらない人ならば、そのへんにあるペンをひょいと使い、
こだわりのなさゆえにすぐペンを無くしては手にいれを繰り返したりして、
恋人をとっかえひっかえしているような罪悪感に苛まされるのだろうか。
 
 
 
 
なんてね。
 
 
 
後編では実際にプロがペンとどういう付き合い方をしているかに焦点をあてたいと思う。
 
 
 
 
グッバイ
 
 
 
 
 
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