襟を立てた少年

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バタフライ・エフェクト

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バタフライ・エフェクトを知ってるだろうか?

 

元はカオス力学において「小さな事象がのちに大きな現象を引き起こす」ことを指すが、実際には人生観や正解観を語るのに用いられることも多い。バタフライエフェクトとは、「アマゾンの蝶の羽ばたきがテキサスに大嵐を呼ぶ」ということわざに由来する。

 

 

日本では「桶屋が儲かる」という言葉がある。

 

 

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"今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)(あか)ず"

 

つまり、

  1. で土ぼこりが立つ
  2. 土ぼこりが目に入って、盲人が増える
  3. 盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
  4. 三味線に使う猫が必要になり、ネコが殺される
  5. ネコが減ればネズミが増える
  6. ネズミは桶を囓る
  7. 桶の需要が増え桶屋が儲かる

 

ということだ。

実際にこんなことが頻繁に起きていたら世の中は大変なことになる。

カオス力学的にも、最初の事象が些細なこと(蝶の羽ばたき)であればあるほど、

その誤差は他の事象に紛れて中和される、ということだ。

 

最近では「風が吹いても桶屋は儲からぬ。」

突拍子もない手柄に期待してないで地道に努力すべし、というような

いましめの言葉として使われてしまうことも少なくない。

力学的に根拠もないし、ただの物語で済まされがちなのかもしれない。

 

 

 

ところが、である。

 

バタフライ・エフェクトは現実に存在する。

可能性は限りなく低くとも、蝶の羽ばたきがシアトルに大嵐を引き起こすことはあり得るのである。

 

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豊川信用金庫事件をご存知だろうか。

 

 

 

 

 

豊川信用金庫事件は、1973年12月愛知県宝飯郡小坂井町を中心に豊川信用金庫が倒産する」という(デマ)から取り付け騒ぎが発生し、短期間に約26億円もの預貯金が引き出された事件のことである。

 

 

この根も葉もない噂がどこから出たのか。

警察が調査を行ったところ、女子高生の雑談がはじまりだったというのだ。

 

以下wikiから抜粋。かなり面白いので是非読んでほしい。

 

 

 

 

  • 1973年12月8日(土)、下校中の飯田線車内で、豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生Aを、友人B・Cが信用金庫は危ないよ」とからかう。この発言は同信金の経営状態を指したものではなく、「信用金庫は強盗が入ることがあるので危険」の意味で、それすら冗談であったがAは真に受けた。その夜、Aから「信用金庫は危ないのか?」と尋ねられた親戚Dは、信用金庫を豊川信金だと判断して同信金本店の近くに住む親戚Eに「豊川信金は危ないのか?」と電話で問い合わせた。

 

  • 9日(日)、Eは美容院のFに、「豊川信金は危ないらしい」と話した。

 

  • 10日(月)、Fが親戚Gにこの話をした際、居合わせたクリーニング業Hの耳に入り、彼の妻Iに伝わる。

 

  • 11日(火)、小坂井町の主婦らの間で豊川信金の噂が話題となり、通りがかりの住民の耳にも入る。この頃、噂は「豊川信金は危ない」と断定調になる。

 

  • 12日(水)、街の至るところで、豊川信金の噂の話題が持ちきりとなる。

 

  • 13日(木)、Hの店で電話を借りたJが「豊川信金から120万円おろせ」と電話の相手に指示した。Jは噂を全く知らず、ただ仕事の支払いで金を下ろす指示をしただけだったが、これを聞いたIは同信金が倒産するので預金をおろそうとしていると勘違いし、慌てて同信金から180万円をおろした。その後、H・Iは知人にこの話を喧伝、これを聞いたアマチュア無線愛好家が、無線を用いて噂を広範囲に広める。この後、同信金窓口に殺到した預金者59人により約5000万円が引き出される。同信金小坂井支店に客を運んだタクシー運転手の証言によると、昼頃に乗せた客は「同信金が危ないらしい」、14:30の客は「危ない」、16:30頃の客は「潰れる」、夜の客は「明日はもうあそこのシャッターは上がるまい」と時間が経つにつれて噂は誇張されていく。

 

  • 14日(金)、事態の収拾のため、同信金が出した声明が曲解され、パニックに拍車が掛かる。その後、「職員の使い込みが原因」、「理事長が自殺」という二次デマが発生し、事態は深刻化する。

 

  • 信金側の依頼を受け、マスコミ各社は14日の夕方から15日朝にかけて、デマであることを報道し騒動の沈静化を図る(新聞の見出し:「デマ、5000人を走らせる」・「デマで取り付け騒ぎ」)。

 

  • 15日(土)、大蔵省東海財務局長と日本銀行名古屋支店長が連名で同信金の経営保障をする。自殺したと噂された理事長自らが窓口対応に立ったことも奏功し、事態は沈静化に向かう。

 

  • 16日(日)、警察がデマの伝播ルートを解明し、発表する。

 

 

 

以上。

ネットもケータイもない1973年の女子高生のからかいから、

銀行は26億円を用意しなければならなくなったのである。

これが、SNSが主流となった現代にして見てみたとき、

情報が格段に流通するから「バタフライエフェクトはさらに起こりうる」と

見るか、情報の多様化から「起こりえないと見るか」どっちだろうか。

 

 

ちなみに豊川信用金庫事件については

以下のようなバックグラウンドがある。

 

 

 

 

  • 口コミで情報が伝わるうちに、情報が変容した。

 

  • 事件の7年前の1966年、小坂井町の隣の豊橋市の金融機関が倒産するという事件があり、出資者の手元に出資金がほとんど戻ってこないという大きな被害を与えていた。デマの伝播経路の中のクリーニング業のHもこの7年前の倒産被害者であったため、善意で周囲の人間にデマを広めてしまった。

 

  • こうした背景をもつHの目の前で、Jが大金をおろすよう妻に指示したため、デマがリアリティを獲得し、パニックの引き金となった。

 

  • 狭い地域社会の中で、「交差ネットワークによる二度聞き効果」(別々の人から同じ情報を聞くことで、それに信憑性があるものと思い込んでしまう現象)が発生した。

 

 

  • 日本では、この事件より前の1971年に成立した預金保険法で、預金保険機構の裏付けのもと、300万円まで(当時)のペイオフ(預金保護)制度が施行されていたのであるが、一般への認知度が十分でなく、預金者はパニックに流されてしまう結果となった。

 

 

 

 

映画「バタフライエフェクト」はカオス力学ではなく、世界観に関する映画だけれど、

2005年公開初登場1位の名作なので良かったら見てみてください。

 

 

 

 

 

 

 

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