襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

兄妹で親切をしたはなし

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妹と散歩中、住宅街の一角での出来事。

 

通りかかったアパートの下の駐車場スペースに女物の洗濯物がいくつか落ちている。

確かに今日は風が強くて、ハンガーにかけただけの洗濯物は風にさらわれてしまうのだなと僕は思った。

 

ふと上を見上げるとそのアパートの二階に一件だけ洗濯物を干しているベランダがあり、どう考えても洗濯物はそこから落ちたようだった。

 

 

妹が迷わず洗濯物を拾い上げ、僕とアパートの二階まであがり、インターホンを押した。

しばらくしても返事がなかったのはこの時間帯にインターホンを押すのは宗教勧誘かNHKの集金か新聞の勧誘くらいのものだからか、あるいは僕が「日本週間-Japan week 2013-」と書かれた抹茶色のシャツを着ていたからかもしれない。

 

 

妹がもう一度インターホンを押すと、若い女らしい声が「はい」と言った。妹が外ゆきの声で「あの、洗濯物が落ちていたので拾ったのですが」と丁寧に言うと、「ああっありがとうございます!」という声がして、ほどなくしてドアが少しだけ空いた。僕はなるべく下を向き、なるべく顔を見ないようにして、その間妹が洗濯物を住人に渡した。ドアを少ししか開けないということは、あまり自分の姿を見せたくないということで、つまりはオフモードだったということだ。(オンとオフ - 襟を立てた少年

 

少し顔を上げると住人の肩が見えて、ほとんど部屋着でだれているところをインターホンで呼ばれて、あまり姿を見られたくなかったのかもしれなかった。

 

 

 

 

任務を果たしてすっきりした僕らはそのまま帰路についた。

 

「さっきの人めっちゃ綺麗だった〜!」と妹が言うと

「えっ!そうだったの!見とけば良かった!」と僕。「お盆の昼間だしすっぴんの顔の怖い女の人が出てきたら嫌だったから下向いてたんだけど、美人なら見ればよかった。損した。」とえげつないことを言うと、

「服の趣味からある程度は美人だと思った。」と妹は同じくらいえげつないことを言う。

 

「下でまた洗濯物が落ちてるところ待ってようかな」

「ほんと美人だったよ。芸能人に似てた。」

 

 

だいたい僕はお盆の夏休みにたまたま通りかかったアパートの洗濯物を拾い上げて、それを届けた住人が20代前半の美女だったというような奇跡を信じていなかったのだ。加えて妹は女性の顔に対しての基準が厳しく、お世辞で「かわいい」とは絶対に言わないタイプだ。

今度は僕も洗濯物を届けるときは服の趣味を鑑みてお顔を拝見してみたほうがいいのだろうか。それとも今回はたまたま奇跡が僕の視界外で発生しただけのことなのだろうか。

 

まぁ、親切にすることは良いことだな。

 

 

 

 

 

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