襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

金のおりがみ

 

葉子は皇族の血筋ということで小学校に入った時分から教師からも級友からも一目置かれて育った。葉子は周りの級友とは違って下品なことを言わなかったし、いたずらもしなかった。そういう皇族としての気品やマナーが備わっていたのだ。

 

そういうわけで、葉子ちゃんに怪我させちゃいけない、つまらないことをさせちゃいけないという雰囲気がクラスにはあって、雑巾掛けだとか、学校にいるウサギのフンの片付けみたいなのは周りの級友が率先してやった。

 

葉子もみんなと同じように、競争しながらぞうきんがけをしたり、鼻をつまみながらうさぎのフンをちりとりで集めたりしたりしてみたかったが、「葉子ちゃんがこんなことやることないよ」と級友が押し止めてしまうのであった。

 

大切にされて、最後までとっておいて、それで使ってもらえなくて。

わたしって何だか金のおりがみみたいだわ、と葉子は自嘲した。

 

安っぽい色のピンクでもいいから、真っ先に引っ張り出されて、端なんか上手に合わせられていいからちゃんと使ってくれたら嬉しいのに。

 

 

 

 

↓つづき


金のプリクラ - 襟を立てた少年

 

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