襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

成人式・振り袖前撮り

今週のお題「おとな」

 

朝6時に目覚ましで起床。

はんぱなく寒いがのそのそ起きてワイシャツに腕を通す。

成人の日は世間一般には祝日だが、フォトスタジオにとっては繁忙日だ。まだ薄暗い中駅を目指して歩く。空は思いっきり晴れていて「よしよし」と思う。めでたい日が晴れているとこっちまで嬉しくなる。

 

 

今日はカメラマンとして写真スタジオのヘルプの仕事だったのだ。学生時代からアルバイトとして働いていた所なのでスタッフは皆顔見知りなので気分は結構楽だ。

 

7時45分出勤。既に多くの成人さんがスタジオのロビーで待機していた。タイムカードを切ってスタジオに行く。ライトとバック紙の電源を入れ、カメラのバッテリーを入れる。

 

それからカメラの色合いを正常にする為にグレートーン設定の作業を行なう。これを行なわないとその日の湿度や気温に左右されて色の感じが全く変わってしまう。

そこまでやると早速成人さんが仕上がってくる。振り袖にもトレンドがあるが、色は人によって実に様々で「今年はこの色だったね」というのはない。

僕のイメージでは赤は絶対に間違えないスタンダードで、ちょっとオシャレに緑、自信があれば紫、青。古風に行くならオレンジというイメージがある。ただのイメージなのであしからず。

 

スタジオには結構お母さんがついてくる。それで撮影中も「笑顔笑顔!」とか、「あんた顔がひきつってるよ!」とかあれこれちょっかいを出してくる。成人さんは「あっち行ってて」とか「うるさいなー」とか言ってつんつんする。でもどんなお母さんも本当に嬉しそうな顔をしていてそういうのを見ているとこっちも幸せな気分になる。

 

 

僕の得意なポーズはライト前の横向きで、ライトボックスと呼ばれる光を飛ばす箱がスタジオにあるのだけれど、その前に白いカーテンをあてて、そこに成人さんを横向きに立たせて花を持たせる。そうすると成人の輪郭が光に少しだけ溶けて、希望が溢れる雰囲気になる。

 

うちのスタジオには何人もカメラマンがいるが、研修中のルーキーは置いといてそれぞれが自分の得意なショットを持っているしそれぞれの美学がある。

だから同じ人を同じ場所で撮ったとしても(現実にはあり得ないから比べられないが)全く違う写真群が出来上がってくる。そして、美容院ではないのでカメラマンの指名なんかない(稀にある)ので、写真がどんな雰囲気になるかというのは運次第なんだな。結局。

 

僕は必ず撮影する直前に名前を名乗って、「で、どうします?」って聞くことにしている。もちろん成人さんは"スタジオには撮影の種類順序にマニュアルがあってそれに沿って撮ってくれる"と信じているので「こんな風に撮って欲しい」だなんて考えてきているわけじゃない。でも僕たちカメラマンにもそういうマニュアルがあるわけじゃなくて、その場の状況・残り時間・使えるスタジオに応じて臨機応変に対応しているだけなのだ。

 

だから逆に後撮りを控えた人はあらかじめサンプルの写真なりを調べておいてスタジオに持ってくるなり(美容院と同じだよね。ただこれをしてくれるお客さんには未だに出会ったことはない。)口頭で話してくれるとそれに近づけて撮るし、「ああ全体的にこういう雰囲気がいいのか」っていうのも伝わる。

 

14時に退勤。だいたい4、5人の成人を撮った気がする。

帰りの電車ではずっと寝ていた。写真を撮りながら常にお客さんとコミュニケーションを撮らなければならない現場の仕事なので、スプリント的に体力を消耗するのがスタジオカメラマンなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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