襟を立てた少年

生きるのが楽しくて楽しくて仕方がない人へ

新宿は道に迷った外国人だらけ

 

 

「このparticular野郎が!」と彼らと別れた後で僕は僕を罵った。

若き日の福原愛選手のように自分の太ももに拳を何度も振り下ろして悔んだ。

 

15分前に話を遡る。

健康診断を無事終えて僕は都庁目の中央公園で英単語の学習に勤しんでいた。

すると通りの方に外国人のカップルがスーツケースを片手に地図を見て言い合っている。

新宿ではよく見かける光景だ。だいたい新宿に1時間いたら2組は見かけるくらいの光景だ。それだけ新宿は広くて入り組んでいるし、実は英語によるサービスやサイネージ・インフラが完成されていない。

 

僕は自分で英語を勉強しているので、腕試しというわけではないが道に迷った外国人はなるべく助けるように心掛けている。新宿はほんとうに道に迷った外国人で溢れているし、また英語のできない・あるいは出来るのかもしれけれど外国人を助けるだけの時間を持っていない日本人で溢れているということなのだろう。

 

また、彼らのほとんどはやけに難しい迷い方をしており、日本人でも地方出身なら諦めてタクシーに乗るのではないかということばかりしたがる。例えば先日のフランス人は大江戸線の改札からJR南口に出ようとしていたし、またあるときはカナダ人がバスタの改札の中から都庁前に行こうとしていた。

 

今回もいつものうように「are you ok?」と話しかける。ここがポイントだ。

「may I help you?」とか「do you need help?」とかわからないけど、色々聞き方はある。

「are you ok ?」は限界まで簡素な英単語で構成された疑問文で、この文章には「私にはあなたを助ける意思があります。でも英語はくそなんで難しい言葉は使わないでね」という意味がこめられている。

「助けたいのはやまやまだけど簡単な英語使えよ???」という意味をはらんでいるわけだ。

ちなみにこの聞き方をしても僕の意図は伝わらず、だいたい向こうは気兼ねなく難しい英語をぶちかましてくることが多いわ。っていうか今回だって僕は相手の言葉が聞き取れなくて何度も「sorry?」って聞き返してるのに全く同じことを同じペースで言ってくるんだぜ?日本人が必死に勇気を振り絞ってヘラヘラ笑わずに一生懸命聞き返してるんだから優しい言葉に言い直してよー!

 

まあ、とにかくそれで向こうはオーストラリア人で、ぜひ助けてくれーって感じだったんだけど、話を聞けばここ都庁前から小田急ハルク前のバス停に行きたいらしい。なんか地味に難しいんだよなーお題が。ゴーストレート、ターンレフトとかで片付かないものばかりだ。

結局僕は腹にバリウム+下剤という超弩級の時限爆弾を抱えている点を除けば暇だったので彼らをそこまで連れて行くことにした。それで冒頭のですよ。外国人と話していると気付けばparticularを使ってしまう。

 

Particular は英語で特定の、という意味だ。

僕は「とある」とか「特定の」みたいな使い方で使うのでやたらと登場してくる。

In particularで「とりわけ」というニュアンスになるため、最悪の場合「とりわけある場所からある場所に行く時にそれなりのお金がかかるね」とかいう時とか、

You have to pay particular cash when you went to between particular point to particular one.

みたいなくど過ぎる滅茶苦茶英語が爆誕する。

 

結局彼らを小田急ハルク前のバス停に案内して、

Do you need some informations? 的なことを言ったらいやーこれ以上時間取らせるのも悪いしここで大丈夫。サンキューみたいなことを言われた。僕は彼らにエンジョイ、と言って握手をして別れた。

 

 

おしまい