襟を立てた少年

まだ間に合う 世界は素晴らしい

シェアハウスにゴキブリが出て住人総出になった話

 

今さっきのはなし。

 

リビングが死ぬほど騒がしい

「ギエエエエエエエーーーーーーーー!!」

「やばいやばいやばい!!!」

バンバン!バンバン!

「やばいやばい!!!!」ぎゃはははは!!

 

共有リビングがすげえうるさかった。22時。

酔っ払いで騒いでるのか...勉強してるのに〜勘弁してくれ...。

 

 

うちのシェアハウスは3階建てで、1階玄関入ってすぐに共有リビングがある。

そのリビングから一番近い101号室。そこに僕は住んでいる。

ここを選んだのは一番家賃が安かったのと、引っ越しの時に階段を登りたくないという横着精神でこの部屋を選んだ。とにかくこの部屋はリビングの声のちょっとした声でも全部聞こえる。それでいて騒がれると結構うるさいのだ。

 

コッカローチ出現

 

ただ今回の騒ぎは尋常じゃないなぁと思っていると「コッカローチ!」という声が聞こえてきて得心した。ゴキブリが共有リビングに出現したのだ。

あー。そういえば昨日玄関前の下駄箱で見たわ。

あいつがシェアハウスに侵入してきたのか。前のシェアハウスでは1日にゴキブリを5回見るようなところだったのでその時は普通にスルーしてしまったのだ。(殺せるとは言ってない)(そういう意味では僕が侵入を許したとも言えるが黙っておいた)

 

 

スリッパを履いて部屋から出てみるとリビングがめちゃくちゃになっている。

夫婦喧嘩でものが飛び交った後みたいな。とにかく隙間に入ろうとするゴキブリをあぶり出すためにテレビをどかし、ソファーをどかし、ゲーム機をひっくり返し....。そのうちこんな風になったのだろう。

 

シェアハウスの住人4人が出てきてダンスでも踊ってるみたいにわたわたしている。

うち1人、中東っぽい唯一の外国人イーサン(仮名)はそんな風にわたわたしている日本人を不思議そうに見ている。「コッカローチ」でも意味がわからないらしい。

 

「コッカローチ?」

「イエスエス!」

「ワッツ..??See me photo」

「フォト?!やだよ!」

「See!!」

住人が渋々スマホでゴキブリを検索してイーサンに見せる。

 

「....虫ジャン」

「虫だよ!日本人はこれが一番 嫌 い なの!!」

「ハハハ why???」

 

そんなことをしているうちにゴキブリは必死にリビングを這い回り住人を翻弄している。僕も含めて5人が一匹のゴキブリのためにダンスを踊っているのは我ながらオモロイ光景だった。

 

 

殺そう

 

結局ゴキブリは造花オブジェみたいなのの隙間に入ってしまい殺傷が困難になってしまった。さっきから殺虫剤を振りまいているのだが一向に死ぬ気配がない。そして日本人4人の役に立たなさよ。

そのうちイーサンが「燃やそう」と言い出して、造花オブジェを掴んで玄関から外に出た。すごいな。燃やすんだ。捻挫した時に「冷やそう」くらいのテンションで言われたからお兄さんびっくりしちゃったよ。一緒に出てくる住人たち。ちなみにこの住人たち、普段はお互い全然話さない人たちで僕自身彼らの名前を全然知らない。

イーサンは100円ライターを取り出して火をつけ、それに殺虫剤を吹き付ける形で火炎放射器を作り、躊躇なく造花を焼き払った。

 

漫画のようなボウッという音と共に割とすごい炎が造花に降りかかった。

うわああれあんななっちゃうんだ。すげえな。僕も今後暴漢に襲われたとして、その時にライターと殺虫剤を持っていたら火炎放射器で対抗しよう。

そしてゴキブリは燃えて死んだ。「虫タイプは炎タイプに弱い」というポケモンの大原則が頭をかすめる。あれは本当だったんだな。そしてゴキブリが焼死するの初めて見た。っていうか虫を見て「燃やそう」っていうやつ初めて見た。

 

殺した

 

玄関で焼死したゴキブリを取り囲んでみんなで談笑する。

その時の話だとイーサンが虫を焼死させたのは単純に「そっちの方がオモロイから」だそうだが、とにかくここの住人は極端にゴキブリが苦手だということと、イーサンは虫を燃やせるということがわかった。

 

ほどなくしてみんな各々の部屋に帰って行った。

僕も101号室に帰った。またゴキブリが出たら総出で、なんとか頑張ろうじゃないか。そんなことを考えながら。

 

 

 

おしまい