襟を立てた少年

まだ間に合う 世界は素晴らしい

モレスキンを卒業したら、測量野帳をはじめよう

 

モレスキンを振り返って

モレスキンユーザーのみなさん、あるいは今モレスキンを使っているが不満があったりして、また違ったノートブックを探しているみなさんこんにちは。僕は元モレスキンユーザーです。丸6年モレスキンを使い続けて、今年の夏に思い切ってコクヨ測量野帳という名前の手帳に鞍替えいたしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モレスキンは最高の手帳だった。

 

それは今でも僕もそう思う。多くを主張しない黒くて堅牢なカバー、上品なサイズ、便利なゴム紐、書き終えたノートをラベリングして並べる至福、あるいはヘミングウェイのような歴史的人物が愛用したというブランド性.....。今でも強い動機があればモレスキンを買ってしまうのではないかと思うくらい、モレスキンは「所有欲」を満たしてくれる手帳であり続けた。僕は6年間で30冊のモレスキンノートに文字を書き尽くした。

 

ただこれだけモレスキンを使っていく中で不満点もでてきた。

特に一番気に入らなかったのはモレスキンを生産するメイン工場が中国に移転し、手帳の品質が落ちたことだ。ノートの質が落ちたというか、個体差が激しくなった。ひどいものは購入してノートを開くと「めりめりめり....」という糊?のような音が聞こえたりした。また、万年筆は裏移りし、サインペンは滲んだ。

 

 

 

 

 

 

これを良しとしないモレスキンユーザーの中ではヨーロッパ製の優れたモレスキンノートと、中華製の駄目モレスキンノートを見分ける「サーチ」という行為を会得する者が現れた。

本屋などで陳列されているモレスキンを一冊ずつ手にとって背表紙の状態やしおりの状態を確認してそのノートがどこ産なのかを判定するというものだ。

モレスキンを購入すると品質を証明するシールがついてくるのだけれど、これが水色ならヨーロッパ製(あたり個体)赤色なら中華製(だめ個体)というわけだ。

 

 

 

僕はだいたい2か月くらいでモレスキンを使い切ったので、一度だめ個体を購入すると2か月そのノートでやっていかなければならなかった。モレスキンはヨーロッパ製だろうが中華製だろうが2100円とノートとしては高価すぎる価格設定だ。

 

そう、だいたい、2100円なんていうお金を払って、なぜ望まない中華製の、開くだけで糊がバリバリいうようなノートを買わなければならないのだろう?

僕は、何より、モレスキンという誇り高いノートメーカーが工場を中国に移転させたことがショックなのだった。そもそも、ヘミングウェイが使っていたノートはあくまでモレスキンの前身のノートであって、現代で僕たちが使っているモレスキンとは関係がない。

 

値段が高く、個体差が激しく、品質とブランドが落ちたノートブック。

僕は6年間の間モレスキンを使い続け、そしてその旅路に終止符をうった。

 

 

 

 

 

 

 

それから僕はモレスキンの代わりとなるノートブックを探す彷徨がはじまった。無印良品の無地手帳、あるいはダイソーが販売する偽モレスキン「ダイスキン」、セリアが販売する偽モレスキン「セリスキン」などなど.....。

しかしそのどれもが所詮はモレスキンの残像を追いかけているだけで、モレスキンの代わりはつとまらなかった。

100円のノートであるということを踏まえれば、よくできた手帳だったけれど、なんというか、このノートたちには「物語」がなかった。持っていてわくわく心躍らなければ僕は文章を書くことができたなかったのだ。

 

 

 

そんななか、僕は測量野帳に出会った。

 

測量野帳

僕がモレスキンを卒業したあと、新しいノートブックに求めた条件は以下の通りだ。

モレスキンより安いこと

・ものとして素敵であること

・シンプルであること

・万年筆で書けること

・比較的どこでも手に入ること

 

 

ある日、僕はロフトで緑色のノートに出会った。表紙には防水用のコートが施されており、種類に応じて「SKETCH BOOK」「LEVEL BOOK」とタイトルが振ってある。

中をぱらぱらめくってみると紙質が良い。見てみればコクヨで日本製である。

 

 

測量野帳スタイルブック (エイムック 3514)

測量野帳スタイルブック (エイムック 3514)

 

 

それが測量野帳である。

なんとガイドブックまで発売されている。

値段をみると200円。モレスキンを1冊のお金で10冊買える値段だ。

まあ200円なら試してみるか、と思って1冊購入してみた。

そこから僕のヤチョラー(測量野帳ユーザー)の道がはじまったのだった。

 

 

 

モレスキンユーザーは総じてヤチョラーの素質を持っている

測量野帳はその姿はモレスキンとは似てもにつかないのに、驚くほどモレスキンの強みを同じように持っている素晴らしい手帳だ。僕はいま、モレスキン測量野帳に比べて勝っている点は「モレスキンであること」のみだと思っている。随分挑発的な言い方になってしまうけれど本音だ。モレスキンを持つこと。それ自体がステータスだ。ふと机に置いているだけで「おっモレスキンだ」と思ってもらえる。持っているだけで大人っぽい。できる人らしく見せることができる。アメリが使った手帳であり、ダビンチコードで登場したノートもモレスキンだった。

冬の公園で、あるいは一人で乗った空いた地下鉄で、モレスキンを開いてペンを走らせてみよ。まるで外国の映画の登場人物になったような気持ちになることができる。

 

でも、それは映画の小道具というだけで、実用的なノートかというのはまた別の問題だ。測量野帳はまず60年歴史があり、その名の通り測量のために開発されたために堅牢で防水性のあるカバーでできており、日本製で紙はめくりやすく書きやすく、なめらかで万年筆でも裏移りしない。そしてシンプルで大人っぽく、軽くて持ち運びやすい。

1冊が200円と安価なのはページ数が少ないからだ。

ページ数が少ないと何が起きるか。ポケットにさっと入るのだ。

そして出先でもすぐに取り出してメモを取ることができる。測量のフィールドワークのために開発された手帳だ。雨の中、あるいは土をかぶったりしながら、しっかりと情報を書き留めることができる。手に取っただけでそれがわかってしまう手帳は、やはり素晴らしい手帳なのだろう。

 

おしなべてモレスキンユーザーはヤチョラーの素質を秘めていると僕は考える。

モレスキンユーザーはお気に入りの文房具にお金をおしまない。納得した道具を納得して、大事に使いたい人だ。ディズニーやきらきらしたグラフィックが印刷された手帳には見向きもせず、シンプルでデザイン性のすぐれた道具を愛している。そしてシンプルが好きでありながら、スタンプでデコレーションしたり、ページに映画の半券や写真を貼ったりして自分好みに拡張するのが大好きだ。だからモレスキンユーザーはトラベラーズノートとも相性が良いはずなのだが僕はどうしても使いこなすことができなかった。

 

 

 

 

モレスキンは高い。いくら何でも高いと僕は思う。

「そう?こんな素晴らしい手帳ならこの金額は妥当だ」という人を僕はあまり見ない。スケジュール長のような、一度購入したら1年間使えるものであれば僕だってモレスキンを選択肢に加えるだろうが、普段TODOを書いたり、日記だったり雑記だったりを書いたり、果ては落書き長に使ったり...。そういう作業に2100円のモレスキンノートは本当に最適解だろうか。モレスキンユーザーも本当は気づているはずだ。そのノートが、2100円分の能力をもってはいないことを。

 

ちなみに測量野帳はアマゾンで10冊購入すると1000円ちょっとで購入することができる。これを知ってしまうと、もうモレスキンに戻る理由がないのである。

 

 

コクヨ 測量野帳 スケッチ 白上質紙 40枚 セ-Y3

コクヨ 測量野帳 スケッチ 白上質紙 40枚 セ-Y3

 

 

 

 

 

僕の測量野帳のつかいかた

 

僕は主に文章を書くので「LEVEL BOOK」を使用している。

 

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表紙にマスキングテープを貼っているのはちょうどこのノートを使い切ったからだ。

モレスキンのときからの習慣で使い終わったノートに「名前をつけ」、使用した期間を記すのだ。使い終わったノートに名前をつけるのは僕にとって非常に心躍る作業だ。

2017年10月6日から10月26日の日々は「BEACON」と名付けられた。信号灯やかがり火という意味がある。ただの明かりではなくて、「ここにいるよ」と自分の存在、位置を相手に知ってほしいときのめじるし。そんな意味がこめられている。

はじめてのモレスキン、2010年5月の記念すべき1冊目のタイトルは「TRAIN ARRIVED」で、一番最後に使った手帳のタイトルは「襟を立てた少年」だった。

 

僕が今使っているノートにはまだタイトルはない。

それは最後の一ページを使い切って、それまで書いてきたページを見返しているときにふと浮かんでくるものだ。僕は瞬間がすごく好きなのだ。気分はまるで吟遊詩人のようなのだ。

 

 

 

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書く内容は様々だ。

だいたい、これまで長いこと色々な手帳を使ってきたけれど、「このノートにはこれしか書かない」みたいなことを決めて長続きしたことなんて一度だってないのだ。

小遣いの使い道を検討するページの次には日記があって、その次にTODOリストがあって、次のページには愚痴が書いてある。そんなのでいいのだ。自分専用の自分のためのノートが、どうしてそんなに整然としている必要があるのだろうか。まるで先生に提出するドリルみたいに、完璧になっていることにどれだけの意味があるのだろう。

僕は、手帳の中で無限に偶発的に広がるカオスを、快適に思い、そして楽しんでいる。

 

 

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測量野帳を手にしてから、あらゆる観光地にあるスタンプが目に付くようになった。

モレスキンには何となく押したくなかったスタンプが、今は押したくて仕方がない。

黒部立山の登山中に、防寒具のポケットから測量野帳を取り出し、ページを開いてスタンプにインクをどたどたとつける。そして狙いを定め、一思いにドン!とスタンプを押し付ける。するとどうだ。何も文章を添えなくても、そのスタンプがすべてを物語っている。まるでパスポートの入国許可証のように、その地に足を踏み入れたことを証明してきらきら輝いて見える。そして旅の仔細をもし書き忘れたとしても、そのスタンプを見るだけでいろいろなことが思い出されるのだ。

スタンプのほかにもチラシや乗車券などを貼っても良いと思う。

どれだけ張り付けてかさばろうが、1か月たったら次の手帳になっているのだ。

そう考えると「かさばらないようにしなきゃ」とか「整然ときれいに使いたいからくだらないことは書かないようにしよう」といった思いはどこかに飛んでいってしまう。

むしろ、そのノートにどんなことができるのか、いろいろ試したくなってくるのだ。

 

 

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山に連れて行ったりするとカバーの端がちょっぴり擦れてくるけれどそれもまた味があっていい!むしろ手帳の傷や汚れがそのときの状況を思い起こさせてくれるというか。フィールドノートというだけあって、きれいに使われているよりも、曲がっていたり湿気でゆがんでいたり、擦れていたほうが本物っぽくてかっこいい感じがする。

 

 

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僕の前後1か月くらいのことが好き放題書かれている測量野帳

そこには展望やTODOや冗談や愚痴や小遣いの計算や欲しいものなどが散発的に書き留められている。そして僕はモレスキンを手に旅をした作家、ブルースチャットウィンの名言をいつも思い出すのだ。

 

 

「パスポートをなくすことは大した問題ではない。しかし手帳をなくしたのであればそれは大問題だ。」

 

 

 

コクヨ 測量野帳 レベル 白上質紙 40枚 セ-Y1

コクヨ 測量野帳 レベル 白上質紙 40枚 セ-Y1

 

 一冊だけ試してみては?

 

 

測量野帳スタイルブック (エイムック 3514)

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おしまい